CMEのFedWatchツールによると、10月28日の米連邦準備制度理事会(FRB)利上げの確率は、雇用・インフレ指標の鈍化を受けて18.3%に低下した。利下げの確率は0%で、現状維持が基本シナリオ。
ただし、据え置きが安心材料になるとは限らない。FRBは9月に2023年以来となる利上げを実施し、12月の追加利上げも依然として有力視されている。
なぜFRB利上げ観測は後退し、利下げは依然論外なのか
FedWatchは、先物価格を確率に変換するツールで、9月30日時点の利上げ確率を37.6%としていた。しかし10月8日には18%前後に低下。9月の新規雇用は予想の9万人近くに対し2万9000人増にとどまった。
インフレ指標も予想を下回った。FRBが重視するコア個人消費支出(PCE)物価指数は、8月に0.2%上昇と予想を下回る結果となった。
フィリップ・ジェファーソンFRB副議長とジョン・ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁も、急いで追加措置を取る必要はないと示唆した。
利下げが遠のいている背景もある。9月のFOMC議事要旨では、参加者の多くが2026年にも追加利上げが適切と考えていることが示された。
エネルギーコストの上昇も圧力を強めている。9月29日時点で原油価格は1バレル当たり96ドル超と、同月だけで約14%上昇したとYahooが伝えた。
金利据え置きは、イールド高止まり下でビットコインに好影響となるか
据え置きはビットコイン価格への下押し圧力をひとつ減らす。ただし、利上げ時期が12月に移っただけで、ゴールドマン・サックスは12月の利上げを予想している。
弱い雇用統計が発表された直後、ビットコインは急騰し、コイングラスのデータによると1時間で約2750万ドルのショートポジションが清算された。
ただし、長期金利は引き続き複雑要因。10年国債利回りは10月1日に5.342%まで上昇し、2002年初頭以来の高水準を記録した。
アナリストのベンジャミン・コーウェン氏は、債券市場がFRBの金融引き締め不足を警戒しており、それが金利上昇につながっていると分析。同氏は10月28日の会合前後が警戒感のピークになるとみている。
従って据え置きは、投資家が利上げ先送りを「安心材料」とみなすか、「結局は後から重い負担」と捉えるかの試金石となる。FRB高官18人中16人が追加利上げを予測する中、10月14日発表のインフレ指標が最終決定以上に注目される公算。









