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米国発の注目すべき暗号資産6選

51 mins

ヘッドライン

  • トランプ政権では「米国を暗号資産の中心地にする」公約のもと、XRP・ソラナ・USDCを優先する準備金構想やSECの暗号資産支持派委員長指名を推進しています
  • LINKは金融機関向けオラクル、SOLは高速・低コストのDeFi基盤、XRPは国際送金、SUIはMeta発の技術でWeb3・NFT分野を開拓しています
  • グレースケールやブラックロックなど大手金融機関が米国発の暗号資産を組み込む動きが加速しています

近年、米国の暗号資産市場は大きな変化を迎えており、その背景にはトランプ政権による規制緩和や暗号資産を重視する政策が挙げられます。同政権は「米国を暗号資産の世界的中心地とする」ことを掲げ、XRPやソラナ、USDCなどの米国発プロジェクトを優先する「アメリカファースト」戦略的準備金の設立を検討しています。また、ビットコインの国家備蓄構想や、SEC(米国証券取引委員会)の暗号資産支持派の委員長指名など、市場環境の整備を進めています。

本稿では、米国発の暗号資産が注目される理由について初心者投資家にもわかりやすいように解説します。

米国発の暗号資産が注目される理由

トランプ

米国における暗号資産の動向は、トランプ前大統領が暗号資産への規制緩和と友好的な政策姿勢を示したことに端を発し、厳格な規制環境の見直しが検討される中で注目を集めています。同氏は「米国を地球上の暗号資産の中心地にする」という公約を掲げ、就任後すぐに暗号資産振興のための大統領令に署名しました。さらにトランプ大統領が、XRPやソラナ、USDCなど米国発の暗号資産を優先的に扱う「アメリカファースト」戦略的準備金の設立を検討していると、New York Postが関係者の証言をもとに報じました。トランプ大統領はこれまでも、リップル社のガーリングハウスCEOを含む業界関係者と会談しており、今回のアルトコイン準備金の構想は、業界側の提案によるものとみられます。

トランプ政権はSEC(米国証券取引委員会)の暗号資産支持派を委員長に指名する意向を示しているほか、シルクロード創設者ロス・ウルブリヒトの減刑や、大統領諮問委員会の設立など、暗号資産に関する包括的な政策を次々と打ち出しています。さらに、共和党のルミス上院議員は、米国政府がビットコイン供給量の5%を取得する法案を提出しており、一部の州でも同様の準備金構想が検討され、競争が始まっています。

関連記事:米国のビットコイン準備金は2025年に導入されるのか?

米国発の暗号資産7選

チェーンリンクのアップグレード

チェーンリンク(LINK)は、スマートコントラクトが外部データを取得できるようにする分散型オラクルネットワークです。スマートコントラクトはブロックチェーン上で動作するプログラムですが、外部のデータ(金融市場の価格、天候情報、決済データなど)を直接取得することができません。チェーンリンクは、オフチェーンのデータをブロックチェーンに安全かつ確実に供給し、スマートコントラクトの実用性を大幅に向上させる役割を果たしています。

関連記事:ブロックチェーンオラクル入門編

米国発のプロジェクトとしての背景

チェーンリンクは、2017年に米国のブロックチェーン企業SmartContract社によって開発されました。共同創設者のセルゲイ・ナザロフは、ブロックチェーンとリアルワールドのデータをつなぐことが今後のWeb3の発展に不可欠であると考え、オラクル技術の開発に取り組んできました。同年のICO(イニシャル・コイン・オファリング)では約3200万ドルを調達し、米国を中心にブロックチェーン業界での影響力を拡大してきました。

現在では、米国の規制当局や企業とも連携し、SWIFT(国際銀行間通信協会)やGoogle Cloudなどの大手企業ともパートナーシップを締結しています。DeFi(分散型金融)分野だけでなく、金融機関や企業向けのブロックチェーン活用にも積極的に関与しています。さらにLINKは、Grayscale Trust、Coinbase 50 Index、World Liberty Financialのすべてに含まれており、米国市場での存在感が非常に強い暗号資産です。機関投資家向けのGrayscale Trustに採用されていることから、長期的な価値があると見なされ、Coinbase 50 Indexにも含まれていることから、個人投資家にも広く取引されていることがわかります。

関連記事:暗号資産チェーンリンク(LINK)とは?仕組みや特徴についてわかりやすく解説

チェーンリンクの基本機能

チェーンリンクは、複数の独立したノードがデータを収集し、検証する分散型オラクルネットワークを構築しています。単一のデータプロバイダーに依存しないため、データの改ざんや単一障害点(SPOF)のリスクを排除し、より信頼性の高い情報を提供できます。

価格フィード

チェーンリンクは、分散型金融(DeFi)プロジェクト向けに、トークンのリアルタイム価格データを提供しています。AaveやSynthetix、Uniswapなどの主要プロトコルが、スマートコントラクトの実行に必要な価格情報を得るために活用しています。

クロスチェーン相互運用プロトコル(CCIP)

クロスチェーン相互運用プロトコル(CCIP)は異なるブロックチェーン間でのデータやトークンのやり取りを可能にするクロスチェーンブリッジです。これにより、Ethereum、BNB Chain、Polygon、Avalancheなどの異なるチェーン間で安全な相互運用が実現されます。

VRF(検証可能なランダム関数)

ブロックチェーンゲームやNFTの分野では、公平で改ざん不可能なランダム値が求められます。チェーンリンクVRFは、ランダム性を保証する暗号技術を活用し、NFTのミント(発行)やゲーム内のランダムイベントの公平性を確保します。

関連記事:ブロックチェーンの仕組みとは?暗号資産の根幹となるシステムをわかりやすく解説

オートメーション(Automation)

チェーンリンクオートメーションはスマートコントラクトの自動実行を支援する機能で、特定の条件が満たされた際に自動で処理を実行できます。DeFiの利回り最適化、資産管理、保険契約の自動執行などに利用されています。

LINKの役割

チェーンリンクのエコシステム内では、LINKトークンが以下の用途で使用されます。

  • データ提供者(ノードオペレーター)への報酬として、正確なデータを提供したオラクルノードにLINKトークンが支払われます。
  • ステーキング機能では、ノードオペレーターがLINKをステーク(担保として預ける)することで、信頼性を向上させ、報酬を獲得できます。
  • トランザクション手数料として、一部のオラクル機能では、スマートコントラクト開発者がLINKを支払うことでサービスを利用できます。

現在、チェーンリンクは多くの金融機関や企業とも連携し、DeFi市場の拡大だけでなく、伝統的な金融市場との橋渡しとしても活用が進められています。

2:ソラナ(SOL)

FTXソラナ(SOL)、ソラナ共同創設者訴訟

ソラナ(SOL)は、米国発の高スループット(処理速度)と低コストを特徴とするレイヤー1ブロックチェーンです。独自のプルーフ・オブ・ヒストリー(Proof of History, PoH)を採用し、秒間数千件のトランザクション処理を実現することで、ブロックチェーンのスケーラビリティ問題を解決しています。その結果、DeFiやNFT市場での活用が急速に拡大しています。

米国発のプロジェクトとしての背景

ソラナは、2017年にカリフォルニア州サンフランシスコで設立されました。創設者は、米国の大手半導体メーカーであるクアルコム出身で、高性能な分散システムの構築経験を活かし、処理速度と効率性を重視したブロックチェーンを開発しました。

当初はイーサリアムのスケーラビリティ問題(高い手数料と低い処理速度)を解決するために設計されました。その後、低コストかつ高速なトランザクション処理を実現することで、多くの開発者や投資家を引きつけました。特に、米国を拠点とする暗号資産取引所FTXやアラメダリサーチと密接な関係があったため、DeFi市場で急成長しました。しかし、2022年のFTX破綻により一時的に信頼を失いましたが、技術的な進化とエコシステムの拡充により、市場での地位をしています。さらにソラナは、Grayscale Trust、Coinbase 50 Indexにも含まれており、米国内の資産運用会社が現物ETFの申請を行なっていることなどから米国発のプロジェクトとしての地位を高めています。

ソラナの技術的特徴

1. プルーフ・オブ・ヒストリー(PoH)

PoHは、トランザクションの時間を暗号学的に証明することで、ブロックチェーンの同期を効率化する技術です。これにより、ソラナは従来のブロックチェーンと比較して、高速な処理を実現しています。

2. タワーBFT

タワーBFTは、ビザンチン障害耐性(BFT)を活用し、ノード間の合意形成を迅速に行うプロトコルです。これにより、トランザクションの確定時間を短縮し、ネットワーク全体の安全性を向上させています。

3. Firedancer

現在、ソラナではFiredancerという新しいバリデータクライアントの開発が進められています。これは、トランザクション処理能力をさらに向上させるための技術で、導入されればソラナのスループットが数倍向上すると予測されています。

ソラナのエコシステムと成長の背景

ソラナは、高速取引と低コストの強みを活かし、Web3市場で急成長を遂げています。

  • DeFi市場での成長:ソラナ上の分散型取引所(DEX)は、2024年12月と2025年1月の2カ月連続で、月間取引高が1,000億ドル(約14兆円)を超える高いアクティビティを記録。
  • NFT市場の拡大:低手数料の特性から、多くのNFTプロジェクトがソラナ上で展開。
  • 独自スマートフォン:ソラナは、Web3ユーザー向けのスマートフォンをリリースし、新規ユーザー獲得を狙う。
  • 決済市場への進出:米国の決済大手VisaがUSDCを活用したクロスボーダー決済にソラナを採用。

ソラナの提携事例

ソラナは、さまざまな企業や金融機関と提携し、ブロックチェーン技術を活用したプロジェクトを推進しています。代表的な提携事例は以下の通りです。

  • Visa:国際送金の決済プロセスを高速化するため、USDC決済をソラナ上で実装。
  • Stripe:決済サービスにブロックチェーン技術を活用する一環としてソラナと連携。
  • Google Cloud:ソラナのバリデータとしてクラウドインフラを提供。
  • Shopify:ソラナのUSDC決済機能を導入し、Web3決済をサポート。
  • Meta(旧Facebook):NFT機能の拡張に向け、ソラナと協力してブロックチェーン技術を活用。
  • Jump Crypto:Firedancerの開発を支援し、ソラナのスケーラビリティ向上に貢献。

このように、ソラナは決済、クラウド、DeFi、NFTの各分野で多くの企業と提携し、実用性のあるブロックチェーンとしての地位を確立しています。

ソラナのネイティブトークン(SOL)の役割

ソラナ

ソラナのエコシステムでは、ネイティブトークンであるSOLが以下の用途で活用されています。

1. ステーキング(PoSコンセンサス)

ソラナは、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用しており、SOLをステーキングすることでネットワークの安全性を確保し、バリデータが取引の検証を行います。

  • ステーキング報酬:SOLの保有者はバリデータにトークンを委任することで、ネットワークの運営に貢献し、報酬を得ることが可能。
  • ネットワークの分散化:バリデータが多様なユーザーによって運営されることで、ネットワークの健全性が維持される。

2. トランザクション手数料

SOLは、ソラナネットワーク上のすべての取引で手数料として使用されます。

  • 低コスト設計:他のブロックチェーンと比較して、非常に低い手数料での取引が可能。
  • バーン(Burn)メカニズム:トランザクションごとに手数料の一部がバーン(焼却)され、トークンの供給が抑制される仕組みが採用されている。

3. スマートコントラクトとDAppsの実行

ソラナ上で構築される分散型アプリケーション(DApps)やスマートコントラクトは、SOLをガス代(計算手数料)として使用します。これにより、開発者は高スループットなアプリを展開しやすくなっています。

4. DeFi、NFT、ゲーム分野での活用

SOLは、ソラナ上のDeFiプロトコルやNFTマーケットプレイス、ブロックチェーンゲームでも主要な通貨として使用されています。

2025現在、ソラナは暗号資産市場の主要プレイヤーの一つとして確立されており、特に高速な取引処理能力と低コストが評価されています。米国の大手企業との提携を通じて、決済、NFT、DeFi市場での存在感を高めており、今後も成長が期待されます。

3:リップル(XRP)

リップル(XRP)は、米国カリフォルニア州に本社を置くリップル社が開発した国際送金向けのブロックチェーンネットワーク「リップルネット(RippleNet)」で使用される暗号資産です。リップルネットは、従来の国際送金システムSWIFTに代わる次世代の送金インフラを目指し、送金のスピードとコスト削減を大幅に向上させることを目的としています。

米国発のプロジェクトとしての背景

リップルは、2012年に米国で設立された企業で、国際送金市場の効率化を目的として開発が進められました。特に、銀行間の国際送金が高コストかつ時間がかかるという課題を解決するために、XRP Ledger(XRPL)という分散型台帳技術を採用し、即時決済を可能にしています。

リップル社は、米国の規制環境に適応しつつ、SWIFTを代替する送金ネットワークとしての地位を確立することを目指しており、世界中の金融機関と提携しながらその普及を進めています。さらに、XRPはGrayscale TrustやCoinbase 50 Indexに組み込まれており、米国内の資産運用会社が現物ETFの申請を進めていることから、米国発のプロジェクトとしての存在感を強めています。

関連記事:2024年末に急騰したXRPの今後の見通しを検証

リップルの技術的特徴

1. XRP Ledger(XRPL)

リップルは一般的なブロックチェーンではなく、XRP Ledger(XRPL)という独自の分散型台帳技術を採用しています。この技術により、送金の即時処理と低コスト化を実現しています。

2. コンセンサスアルゴリズム

XRP Ledgerは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)やプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を使用せず、独自のコンセンサスメカニズムを採用しています。この仕組みにより、マイニング不要でエネルギー効率の高い送金ネットワークを構築し、取引処理を約3秒で完了させることができます。

3. 供給管理(エスクロー機能)

リップル社は、発行済みの1,000億XRPのうち55%(550億XRP)をエスクローにロックアップし、市場への供給量を管理しています。これにより、XRPの流通量の透明性を確保し、価格の安定を図っています。

リップルのエコシステムと成長の背景

リップルは、既存の銀行送金ネットワークよりも迅速でコスト効率の良い代替手段として、世界中の金融機関に採用されています。

  • 高速な国際送金:XRPを活用することで、従来数日かかる送金を数秒で完了可能。
  • 低コスト取引:手数料は0.0004ドルと非常に低く、銀行の送金手数料を大幅に削減。
  • 金融機関の採用:100社以上の金融機関がリップルネットを採用し、送金インフラとして利用。
  • ODL(On-Demand Liquidity):法定通貨間の即時送金を実現する流動性提供ソリューション。

リップルの提携事例

リップルは、金融機関や決済プロバイダーと積極的に提携し、国際送金市場における実用性を高めています。

  • バンク・オブ・アメリカ:リップルネットを活用した国際送金ソリューションを導入。
  • サンタンデール銀行:リップルのxCurrentを活用し、国際送金サービス「One Pay FX」を提供。
  • SBIホールディングス:日本市場でのリップル導入を推進し、SBI Ripple Asiaを設立。
  • トラングロ(Tranglo):東南アジアの送金ネットワークとしてリップルのODLを採用。
  • ドバイ国際金融センター(DIFC):リップルネットを金融インフラの一部として正式に承認。
  • フィリピンの電子送金サービス「アジーモ」:欧州とフィリピン間の国際送金を低コスト・高速化。

関連記事:リップル(XRP)とは?将来性や特徴についてわかりやすく解説

リップルのネイティブトークン(XRP)の役割

リップルXRP価格の強気オンチェーン分析

XRPは、リップルネットワーク内での取引や送金を円滑にするためのネイティブトークンとして機能しています。

1. ブリッジ通貨としての役割

XRPは、異なる法定通貨間の送金をスムーズに行うためのブリッジ通貨(仲介通貨)として使用されます。これにより、送金プロセスが簡素化され、取引コストが削減されます。

2. ODL(On-Demand Liquidity)での利用

ODLは、XRPを活用することで、金融機関が事前に資金を用意することなく即時送金を可能にするソリューションです。特に、流動性が低い新興国市場での送金において効果を発揮します。

3. トランザクション手数料の支払い

リップルネットワーク上で取引を行う際、XRPは手数料として利用されます。手数料は非常に低く、0.0004ドル程度となっています。

4. スマートコントラクト機能の導入(フレアネットワーク)

リップルは、フレアネットワーク(Flare Network)との提携を通じて、XRP Ledgerにスマートコントラクト機能を導入する予定です。これにより、XRPのユースケースが拡大し、分散型金融(DeFi)やその他のブロックチェーンアプリケーションへの応用が期待されています。

リップルは、国際送金市場において革新的な技術を提供し、従来の銀行システムの課題を解決することを目指しています。既存のSWIFTネットワークに代わる選択肢として、多くの金融機関や企業がリップルネットを採用しており、今後もさらなる市場拡大が期待されています。リップルは、米国発の国際送金インフラとして、グローバルな金融市場における重要な役割を担っています。

4:スイ(SUI)

Sui(SUI)は、MetaのDiemプロジェクトから派生したMysten Labsによって開発されたスマートコントラクト対応のレイヤー1ブロックチェーンです。独自のプログラミング言語「Move」を採用し、高速かつスケーラブルなトランザクション処理を実現しています。特に並列処理による高速決済機能が特徴で、Web3の発展において重要な役割を果たしています。

米国発のプロジェクトとしての背景

Suiは、2021年に米国で設立されたMysten Labsによって開発されました。Mysten Labsの創設メンバーは、Meta(旧Facebook)のDiemプロジェクトに携わっていたエンジニアや研究者で構成されており、ブロックチェーンのスケーラビリティとセキュリティを向上させることを目的としています。

Diemプロジェクトが規制上の理由で中止された後、開発チームはその技術を基に独自のブロックチェーン「Sui」を構築しました。Suiは2023年5月にメインネットをローンチし、すでに100万人以上のユーザーを獲得しています。SUIはGrayscale Trustに組み込まれていることから、米国発のプロジェクトとしての存在感を強めており、今後も機関投資家からの注目が高まると予想されています。

Suiの技術的特徴

1. Move言語によるスマートコントラクト

Suiは、独自の「Sui Move」言語を使用しており、トランザクションをオブジェクトの移動として管理することで、高速で安全な処理を実現しています。

2. 並列トランザクション処理

一般的なブロックチェーンは、取引を逐次処理するためスケーラビリティの課題を抱えていますが、Suiは並列処理を可能にすることで、理論上1秒あたり最大29万7000件の取引を処理できます。

3. Delegated Proof-of-Stake(DPoS)

SuiはDPoSコンセンサス機構を採用しており、ネットワークのセキュリティを維持しながら効率的な取引承認を行うことができます。

4. Narwhal & Bullsharkによる合意形成

Suiは、NarwhalとBullsharkという新しい合意形成アルゴリズムを採用しており、トランザクションの識別と処理速度を向上させています。


Suiは、高速な取引処理と低コストを特徴としており、さまざまなWeb3アプリケーションに適用されています。

  • スケーラブルなネットワーク:1秒あたり数十万件のトランザクション処理を可能にし、ブロックチェーンの課題であるスケーラビリティを解決。
  • 低コストな取引手数料:従来のブロックチェーンよりも安価な手数料で取引が可能。
  • Web3向けの最適化:NFT、DeFi、GameFiなど、幅広いユースケースをサポート。
  • 分散型アプリケーション(dApps)開発の促進:開発者にとって柔軟で使いやすい環境を提供。

Suiの提携事例

Suiは、米国を中心に多くの企業やプロジェクトと提携し、ブロックチェーンの実用性を高めています。

  • コインベースベンチャーズ:Web3プロジェクトの拡大支援を目的に投資。
  • a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ):Suiの成長を加速するための資金提供を実施。
  • バイナンスラボ:Suiの開発と普及を支援するために投資。
  • サークル(Circle):Suiと提携し、USDCの流動性を強化。
  • フランクリン・テンプルトンSuiを活用した金融商品の開発を支援。

関連記事:仮想通貨SUIはどこで買える?:初心者向け買い方ガイド

Suiのネイティブトークン(SUI)の役割

SUIは、Suiネットワーク内での取引やガバナンスに使用されるネイティブトークンです。

1. トランザクション手数料の支払い

Suiネットワーク上で取引を行う際、SUIトークンはガス代として使用されます。

2. ネットワークのステーキング

SUIトークンをステークすることで、バリデーターとしてネットワークの維持に貢献し、報酬を得ることができます。

3. ストレージファンドへの貢献

Suiは、過去のデータ保存コストを補填するための「ストレージファンド」を設けており、ユーザーが支払う手数料がこのファンドに充当され、バリデーターへの報酬として分配されます。

4. ガバナンス

SUIの保有者は、Suiネットワークのガバナンスに参加し、プロトコルのアップデートやパラメーター変更に関する意思決定に影響を与えることができます。

Suiは、次世代のWeb3プラットフォームとして急速に成長しており、特に高速トランザクション処理や低コストな手数料構造が評価されています。

Mysten Labsの技術革新により、SuiはDeFi、NFT、GameFi、企業向けブロックチェーンソリューションなど、幅広い分野での採用が進んでいます。今後も、米国発の革新的なブロックチェーンとして、Web3の発展をリードする存在となることが期待されています。

関連記事:Sui価格予測 2025/2026/2030

5:アバランチ(AVAX)

アバランチは、Ava Labsによって開発されたスマートコントラクト対応のレイヤー1ブロックチェーンです。2020年にローンチされ、独自の「アバランチコンセンサス」を採用することで、極めて高速なトランザクション処理と低コストを実現しています。特に、イーサリアムと高い互換性を持ちながら、スケーラビリティの課題を解決するブロックチェーンとして注目されています。

米国発のプロジェクトとしての背景

アバランチは、米国のコーネル大学教授であり、ビットコイン研究の第一人者でもあるエミン・ギュン・シラーによって創設されました。彼は、ブロックチェーンの拡張性と分散化を両立させる新たなアーキテクチャを構築することを目的とし、Ava Labsを立ち上げました。

プロジェクトの初期段階では、多くの投資家や研究者がその革新性に注目し、Andreessen Horowitz(a16z)、Polychain Capital、Galaxy Digitalといった著名なVCからの支援を受けています。アバランチは、従来のブロックチェーンが抱えるスケーラビリティやセキュリティの課題を克服し、高速かつ低コストなトランザクションを実現することを目的としています。さらにアバランチは、Grayscale Trust、Coinbase 50 Indexにも組み込まれており、米国内の資産運用会社が現物ETFの申請を行なっていることなどから米国発のプロジェクトとしての地位を高めています。

関連記事:仮想通貨アバランチ(AVAX)とは?将来性や特徴についてわかりやすく解説

アバランチの技術的特徴

1. アバランチコンセンサス

アバランチは、従来の「ナカモトコンセンサス」や「クラシカルコンセンサス」とは異なり、確率論的な承認メカニズムを採用しています。この方式により、ノードが部分的なサンプルの中で反復的に投票を行い、最終的な合意を形成します。これにより、ブロックの確定時間が短縮され、取引の確定性が高まります。

2. 3つのブロックチェーンで構成された設計

アバランチは、X-Chain、C-Chain、P-Chainという3つの異なるブロックチェーンで構成されています。

  • X-Chain(Exchange Chain): 資産の発行や取引を行う。DAG(Directed Acyclic Graph)構造を採用し、高速な取引を実現。
  • C-Chain(Contract Chain): イーサリアム仮想マシン(EVM)と互換性があり、スマートコントラクトを実行可能。
  • P-Chain(Platform Chain): ネットワークのバリデーター管理やカスタムブロックチェーン(サブネット)の作成を担当。

3. サブネットによるカスタマイズ性

アバランチは、開発者が独自のブロックチェーン(サブネット)を作成し、独自のルールで運用できる機能を提供しています。これにより、特定のユースケースに最適化されたブロックチェーンを構築することが可能となります。

4. Snowmanコンセンサス

C-Chainでは、Snowmanという派生型のコンセンサスプロトコルを使用しており、スマートコントラクトの処理を最適化しています。

アバランチの提携事例

アバランチは、米国を中心に多くの金融機関やブロックチェーン関連企業と提携し、エコシステムの拡大を進めています。

  • JPモルガン: イーサリアムのエンタープライズソリューションと連携し、金融機関向けの活用を模索。
  • マスターカード: デジタル資産の決済インフラを共同で開発。
  • デロイト: 政府機関向けのブロックチェーンソリューションを提供するために協力。
  • アマゾン・ウェブ・サービス(AWS): アバランチのサブネット機能をクラウドインフラと統合し、Web3開発を支援。
  • コナミデジタルエンタテインメント:NFTソリューション「Resella」をアバランチサブネットで構築。NFTの設計、発行、取引がシームレスに可能。
  • Alipay(アリペイ)概念実証:東南アジア向けWeb3対応クーポンプログラムをAvaCloudで管理。加盟店の新たなユーザーインタラクションを促進。

アバランチのネイティブトークン(AVAX)の役割

AVAXは、アバランチネットワーク内での取引やガバナンスに使用されるネイティブトークンです。

1. トランザクション手数料の支払い

アバランチのネットワーク上で取引を行う際、AVAXはガス代として使用されます。

2. ネットワークのステーキング

AVAXをステーキングすることで、ネットワークのバリデーターとして運営し、報酬を得ることができます。最低2,000AVAXをステーキングすることで、バリデーターとしての役割を果たすことが可能です。

3. サブネットの運営

AVAXは、サブネットを作成し運用するための基盤通貨としても機能します。

4. トークンのバーン

アバランチでは、トランザクション手数料の一部がバーン(焼却)される仕組みがあり、供給量の増加を抑制しながら通貨の価値を維持しています。

アバランチの市場における影響力

2024年現在、アバランチは分散型金融(DeFi)、NFT、エンタープライズ向けソリューションなど、幅広い分野で活用されています。特に、サブネット機能によるカスタマイズ性の高さと、イーサリアム互換のスマートコントラクト環境が評価され、開発者の関心を集めています最新の情報によれば、アバランチのエコシステムには、423の分散型アプリケーション(dApps)が存在しています。また、DeFiにおける総預かり資産(TVL)は約12.61億ドルに達しています。

関連記事:アバランチ(AVAX)価格予測 2025年〜2035年

6:Ondo Finance(ONDO)

ONDO価格予測

Ondo Financeは、リアルワールドアセット(RWA)のトークン化を専門とする米国発のプラットフォームです。米国国債や証券をオンチェーン化することで、伝統金融とDeFi(分散型金融)をつなぐ架け橋として機能しています。特に、機関投資家向けの米国短期債トークンや利回り付きデジタル資産を提供し、金融商品の透明性とアクセス性を向上させています。

米国発のプロジェクトとしての背景

Ondo Financeは、2021年にウォール街出身の金融専門家によって設立されました。創設者は、かつてゴールドマン・サックスに所属しており、伝統的な金融市場の非効率性をブロックチェーン技術で解決することを目指し、このプロジェクトを立ち上げました。

当初はDeFi向けの貸し出しプラットフォームとしてスタートしましたが、米国の規制下で合法的にRWAをトークン化し、機関投資家にも適した商品を提供することに重点を置く方向へシフトしました。米国金融市場の持つ高い流動性と安定性をブロックチェーンと融合させることで、より効率的な金融インフラを構築することを目的としています。

特に、米国の証券規制に準拠した形でRWAを運用している点が特徴であり、ブラックロック、コインベース、JPモルガンといった伝統金融機関や暗号資産業界の大手企業と提携し、規制対応と市場拡大を両立させています。2024年時点で、Ondo Financeはトークン化された証券市場の約40%のシェアを掌握し、RWA分野で最も影響力のあるプロジェクトの一つとなっています。また、同プロジェクトはWorld Liberty Financialのポートフォリオにも含まれています。

Ondo Financeの主力プロダクト

USDY(US Dollar Yield)

USDYは、米国短期国債と銀行預金によって裏付けされた利回り付きステーブルコインです。従来のステーブルコイン(例:USDT、USDC)とは異なり、ホルダーに年利約5%の変動利回りを提供する構造を持ちます。米国外の投資家を対象に発行されており、特にリスクを抑えた安定収益を求める投資家に適しています。

OUSG(Ondo US Government Treasuries)

OUSGは、ブラックロックが運用する短期米国債ETF「BUIDL」をトークン化したデジタル証券です。OUSGは24時間365日の取引が可能であり、伝統的な国債市場の安定性と、ブロックチェーンの即時決済機能を兼ね備えています。

Flux Finance

Ondoが開発したレンディングプロトコルであり、OUSGを担保にして資金を借り入れることが可能です。Compound V2をベースに構築されており、ステーブルコインを貸し出して利息を得ることもできます。現在は、Neptune Foundationに運営が移管され、さらなる分散化が進められています。

Ondo Financeはまた、新たなレイヤー1ブロックチェーン「オンドチェーン」を発表しました。これは機関投資家向けのRWA採用を加速するもので、伝統的金融(TradFi)とDeFiの橋渡しを目指しています。オンドチェーンは規制遵守を確保しつつ、オープンなブロックチェーンの理念を維持するインフラを提供します。すでにフランクリン・テンプルトン、ウェリントン・マネジメント、ウィズダムツリーなどの大手金融機関がデザインアドバイザーとして参加しており、プロジェクトの信頼性向上に貢献しています。

関連記事:Ondo Finance、主要機関支援のレイヤー1ブロックチェーン発表

Ondo Financeの採用事例とパートナーシップ

Ondo Financeは、米国の金融機関および暗号資産関連企業と連携し、RWAのオンチェーン化を加速させています。

  • ブラックロックとの提携:2024年3月、Ondoはブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」に約9,500万ドルの資産を移行しました。これにより、OUSGの決済スピードがT+2日から即時決済に短縮され、暗号市場の24時間取引に対応しました。
  • Anchorage Digitalとの連携:2024年12月、米国の暗号資産カストディ企業Anchorage Digitalが、USDYやOUSGのカストディサービスを拡大しました。
  • JPモルガン、シティグループ、BNYメロンとの協力:伝統的な金融機関との連携を進め、証券のトークン化と流動性の確保を推進しています。

Ondo Financeのネイティブトークン(ONDO)の役割

Ondo Financeのエコシステムでは、ONDOトークンが以下の用途で利用されています。

  • ガバナンス:ONDOトークンのホルダーは、Ondo DAO(分散型自律組織)の意思決定に参加し、プロトコルの運営方針や新たな資産のトークン化について投票が可能です。
  • エコシステムの成長支援:新規プロジェクトや流動性提供のためのインセンティブに使用されています。
  • Flux Financeとの統合:ONDOトークンを利用して、レンディングプールや新しい金融商品の設計が進められています。

ONDOトークンは総供給量100億枚で、段階的に市場へ流通していく仕組みになっており、インフレの影響を抑えた設計がされています。

関連記事:RWA領域を牽引する仮想通貨ONDOとは?

まとめ:トランプ政権下での米国発の暗号資産に注目

米国発の暗号資産が注目される背景には、トランプ大統領の規制緩和と市場成長の動きがあります。トランプ政権は、XRPやソラナ、USDCを優先する「アメリカファースト」戦略的準備金の設立を検討し、SECの暗号資産支持派委員長の指名やビットコインの戦略的備蓄構想を進めています。また、ビットコインETFの承認により、機関投資家の市場参入が加速し、暗号資産の信頼性が向上しました。さらに、チェーンリンクやソラナ、リップル、アバランチ、Ondo Financeなど、米国発のプロジェクトが成長を続け、DeFiやRWA市場でも存在感を強めています。今後も政策と技術革新が相乗効果を生み、市場の中心的な役割を果たすことが期待されています。

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Shota Oba
国際関係の大学在籍中に国内ブロックチェーンメディアでのインターンを経て、2つの海外暗号資産取引所にてインターントレーニング生として従事。現在は、ジャーナリストとしてテクニカル、ファンダメンタル分析を問わずに日本暗号資産市場を中心に分析を行う。暗号資産取引は2021年より行っており、経済・社会情勢にも興味を持つ。
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